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 ゲーベル数列の漸化式の \(2\) 乗の部分を \(3\) 乗に変えると何が起こるでしょうか。そんな疑問を持った数学者がいました。ここではさらに一般に \(2\) 乗の部分を \(k\) 乗に取り替えた、\(k\)-ゲーベル数列 “\(k\)-Göbel sequences” を考えてみましょう。\(2\) 以上の整数 \(k\) に対し、初項を \(g_{k,0} = 1\) として、\(n\) 番目の項 \(g_{k,n}\) を漸化式 \[g_{k,n}=\frac{1+g_{k,0}^k+g_{k,1}^k+\cdots+g_{k,n-1}^k}{n}\] で定めます。例えば \(k=3\) のとき、 \[g_{3,1}=\frac{1+1^3}{1}=2,\quad g_{3,2}=\frac{1+1^3+2^3}{2}=\frac{10}{2}=5, \quad g_{3,3}=\frac{1+1^3+2^3+5^3}{3}=\frac{135}{3}=45\] となり、さらに \(g_{3,4} = 22815,\, g_{3,5} = 2375152056927\) と続きます。\(3\) 乗になったので、先ほどよりも大きくなるのが早いですが、やはりこの場合も不思議と整数が続きます。しかし、この場合も残念ながら、89 番目の項 \(g_{3,89}\) でついに整数でなくなってしまうことが知られています[1]。さっきよりも長いこと整数であり続けられるようです。では、\(k=4\) や \(k=5\) ではどうでしょうか。  2020年、雑誌「数学セミナー」で連載されていた漫画「せいすうたん」において、この問題が紹介されました。\(k\)-ゲーベル数列の整数性が崩れてしまう番目のことを \(N_k\) と書くことにしましょう。例えば、\(N_2 = 43,\, N_3 = 89\) というわけです。このとき、\(k=61\) までの結果が次の表のように計算されています。図3:いつ整数性が崩れるかのリスト (OEIS A108394)  今、我々は新たな数列 \(N_k\) に出会いました。何か面白い発見はできるでしょうか。まずはじっくりと表を観察してみることにしましょう。すると \(N_k\) の値は不規則に揺れ動いていることに気が付きます。例えば、\(k=6\) のときには \(19\) 番目で早々に整数でなくなってしまうようですし、\(k=49\) のときは、なんと \(N_{49} = 1559\) ということで、かなり長いこと整数が続くようです。 予想の誕生 (2023 年 5 月 9 日) 図4 「せいすうたん 1」第 3 話より引用  土田さんや松比良さんも、この \(N_k\) のリストを独自の視点で観察し、「\(N_k\) の最小値」に関する考察を行いました。実は後で気がついたことなのですが、漫画の中で、あるキャラクターが「\(N_k\) の最小値」が気になるという話をしています。この問題を真剣に考えてみることにしましょう。上の表を見る限りでは、\(N_k\) の最小値は \(19\) のようです。しかしたった \(60\) 個の例を計算しただけで、\(N_k\) の最小値が \(19\) だと断言できるでしょうか。少ない例から数列の正体を見抜くことの難しさは、他でもない、ゲーベル数列から学んだはずです。もしかしたら \(k=100\) くらいまで考えてみると、\(7\) 番目くらいで早々と整数でなくなってしまうような例が見つかるかもしれません。  しかしながら数値実験をしてみようにも、\(k\)-ゲーベル数列はものすごい勢いで大きくなる数列なので、計算機を用いたとしても \(N_k\) を直接調べるのは難しいです。何より最小値というからには、無限個の \(k\) に対して \(N_k\) を知る必要があります。一体、どうやってこの数列を研究すれば良いのでしょうか。 謎の解明と新たな謎  それでは、答え合わせです!次の定理が今回我々が得た結果になります。 定理 (松比良・松坂・土田). \(N_k\) の最小値は \(19\) である。さらに、\(N_k=19\) となるのは \(k \equiv 6, 14\,(\mathrm{mod}\,\,18)\) の場合である。  「\(19\) が最小値かも」という直感が正しかったことに加え、いつ \(N_k\) が \(19\) と等しくなるかも完全に特定することが出来ました。一体どうやって \(N_k\) の最小値を知ることが出来たのか、鍵となった 3 つのアイデアを簡単に紹介しましょう。 \(\mathrm{mod}\) \(p\) による計算:\(k\)-ゲーベル数列を直接計算することは難しいので、代わりに、\(\mathrm{mod}\) 計算[2] を考えます。こうすることで、値が大きく増加することなく、\(k\)-ゲーベル数を計算できるようになります。 \(N_k\) の周期性を捉える:表をよく観察すると、次のことに気がつきます。まず、\(N_k = 19\) となるような \(k\) は結構たくさんあります。その中でも特徴的なのが、\(N_6 = N_{24} = N_{42} = N_{60} = 19\) と、\(18\) 飛びで \(19\) が出てきている部分です。この \(18\) というのは、\(18 = 19-1\) と関係があるでしょうか。その観点で眺めてみると、\(N_{16} = N_{38} = 23\) も \(22 = 23 -1\) 飛びです。この「隠れた周期性」を理解することで、考えるべき \(k\) が無限個から有限個の場合に帰着するのです。 計算機による力技:考えるべき問題を有限パターンに絞ることができれば、あとは計算機を用いて力技でねじ伏せることが出来ます。 こうして、小規模ながらも「理論と計算機の共同作業」という形で問題を解決することが出来ました。  最後に次に解くべき最も基本的な問題を一つ残すことにしましょう[3]。 問題. \(k \geq 2\) に対して、\(N_k\) はいつでも有限値を取るでしょうか。言い換えると、\(k\)-ゲーベル数列が本当に整数列になってしまうような \(k\) は存在しないのでしょうか。 研究こぼれ話 松比良さん :理系や文系に限らず様々な科目が好きでしたが、自分の専門を 1 つ選ぶなら数学かなと思い、数学科に入学しました。土田さん :数学ができる方だとは思っていませんが、数学の授業を受けるのが好きで数学科に入学しました。松坂助教 :定理の証明には、実は高度な数学はそれほど使っておらず、分かってしまえば高校生でも証明できるかもしれないようなものでした。まさに、コロンブスの卵です。 Note: [1] 一度、整数ではなくなると、その後はずっと整数にならないこともわかっています。実は、この性質は今回の論文の査読者により証明が与えられました。 [2] \(\mathrm{mod}\) 計算とは、割った余りに注目する計算方法で、割った余りが等しいもの同士を関係づけた式がいわゆる合同式です。\(\mathrm{mod}\) \(p\) による計算とは、\(p\) で割った余りに注目する計算を意味しています。 [3] これ加えて、もし \(N_k\) が無限に大きくならないならば、\(N_k\) の最大値は何か?という問題も残されています。 より詳しく知りたい方は・・・ タイトル How long can \(k\)-Göbel sequences remain integers? 著者 Rinnosuke Matsuhira, Toshiki Matsusaka, Koki Tsuchida 掲載誌 The American Mathematical Monthly (to appear) プレプリント arXiv:2307.09741 参考図書 小林銅蟲・関真一朗「せいすうたん 1」日本評論社 (高校生・学部生向け) キーワード オンライン整数列大辞典、漸化式、ゲーベル数列  (数学分野) 解けない方程式の中の解ける方程式たち  前の記事 ツクツクボウシの鳴き声の転調部に潜む生物学的意味  記事一覧  先頭に戻る  先頭へ  次の記事 光の物理で生物を見る化学の世界 広報 九大理学部ニュース トピックス 広報誌 受賞情報 イベント情報 公募情報 X (旧Twitter)@qrinews 九州大学 理学研究院 理学府 理学部 〒819-0395 福岡市西区元岡744 理学部案内 研究院長あいさつ 概要 教員リスト 理学部のデータ 附属施設 学科・専攻 物理学科 化学科 地球惑星科学科 数学科 生物学科 国際理学コース 入試情報 学部入試 編入学 大学院入試 大学院教育プログラム 合格発表 科目等履修生 教育・学生生活 授業・時間割 各種証明書・届出書類 経済支援・奨学金情報 就職 相談窓口 教育研究支援 3ポリシー 国際交流・留学 グローバル ブリッジ オフィス 九大生向け情報 外国人留学生・研究者向け情報 教職員向け情報 国際交流データ 広報 九大理学部ニュース トピックス 広報誌 受賞情報 イベント情報 公募情報 アクセス お問い合わせ リンク サイトマップ サイトポリシー © 2017 Faculty of Science Kyushu University.

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