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ENGLISH ホーム 経団連について Policy(提言・報告書) Action(活動) 会長コメント/スピーチ トップ 会長コメント/スピーチ 会長スピーチ 時事通信内外情勢調査会における榊原会長講演 会長コメント/スピーチ 会長スピーチ 時事通信内外情勢調査会における榊原会長講演 2015年9月30日 経団連会長の榊原定征でございます。本日は、伝統ある内外情勢調査会の講演会にお招きいただきまして、ありがとうございます。 私は本年6月に経団連会長として2年目を迎えました。この1年あまり、デフレ脱却と経済再生、財政健全化、地方創生、エネルギー問題、イノベーションの推進といった国内の課題に加えて、アメリカ、ヨーロッパ、アジア諸国との経済外交に積極的に取り組んでまいりました。 改めてわが国が抱える課題の多さとその重要さを実感するとともに、経団連がこうした内外の重要課題に真正面から取り組む使命を担っているとその責任の重さを再認識しているところです。本日は、そうした思いを胸に、具体的に日本経済の再生をいかに実現し、山積する重要課題をいかに解決していくのか、経団連の考えと取り組みをご紹介したいと思います。 1.経済情勢 はじめに、わが国経済の現状について簡単にお話しします。今年4-6月期の実質GDP成長率は、前期比年率マイナス1.2%と3四半期ぶりにマイナス成長となりました。ただ、先行きについては、7-9月期以降は色々と懸念も指摘されておりますが、1%台後半の緩やかな回復が見込まれております。先月、中国をはじめとする新興国経済の先行き不安に端を発して、株が乱高下しましたが、私はこれをもってわが国経済の先行きを過度に悲観視する必要はないと考えています。 その理由のひとつは経済の主役である企業の活動が着実に改善しつつあることです。企業収益は2012年度以降、経常利益は順調に伸びています。1960年以降、初めて60兆円の大台を突破しました。業況判断についても、大企業の製造業、非製造業ともに良好な状況が続いています。さらに、設備投資についても今年度計画は製造業では前年度比+24.2%という非常に高い数字となっております。今年度も設備投資の伸びが期待されます。 また、雇用情勢については、有効求人倍率は1.21倍と約23年ぶりの高い水準に上昇し、失業率は7月現在3.3%と、約18年ぶりの水準に改善しています。完全雇用状態に近づいていると言えます。 景気回復の鍵を握る賃金の引上げについても、ここ2年の春季労使交渉において、大企業では、2014年、2015年ともに2%を上回る高水準で妥結し、特に今年は17年ぶりの高い伸びとなりました。中小企業についても、2015年は1.87%の伸びを達成しています。また、夏のボーナスも過去最高水準の回答が相次いだことを踏まえれば、今後、個人消費は緩やかながらも回復を続け、設備投資の増加と相俟って、経済の好循環につながっていくものと期待しています。 一方、リスク要因として、FRBの利上げの時期、そして中国経済の動向が挙げられますが、8月以降の株の乱高下はその懸念が顕在化した形となりました。FRBの9月中の利上げは回避されましたが、年内のどのタイミングになるか注視が必要です。 中国経済については、色々懸念はあるものの、私は今の状況は総じて中国政府が言う「ニューノーマル」の中で推移していると見ており、過度に悲観的に見る必要はないと思っています。今年、来年ともに6%台の成長は達成できるものと見ています。もうひとつの懸念要因は、このところ輸出が弱含みで推移しているということです。この動向には引き続き注視していく必要があります。 わが国は今、長年苦しんできたデフレからの脱却と経済再生に向けた正念場にあります。経済再生への兆しが見えてきた今こそ、政官民の力を結集して、デフレ脱却・経済再生を成し遂げなくてはなりません。 2.経団連ビジョン「豊かで活力ある日本」の再生 さて、これまで足もとの経済情勢について申し上げてきましたが、こういった目前にある課題に果敢に取り組んで行くと同時に、中長期的な国のビジョンを描き、将来に向けての明るい展望を次の世代へと示していくことも必要です。これは我々世代の責務であると考えています。 そこで、経団連では、本年1月に2030年のあるべき日本の姿として、経団連ビジョン「『豊かで活力ある日本』の再生」を発表いたしました。ここで簡単にビジョンを紹介させていただきます。 まず、1993年度から2014年度までのわが国の名目GDPの推移を見ますと、この20年間、日本のGDPはまったく増えておりません。一方、この間の世界各国のGDPは、米国は3倍、韓国は5倍、中国に至っては17倍に成長しています。日本だけが世界の成長から取り残される事態となってしまいました。長引く経済停滞のもとで醸成された閉塞感は、日本全体を覆い尽くし、いつしか国民は将来への明るい夢や希望を持てなくなってしまった。この20年間はそういった時期であったと思います。 こうした中、2012年12月に第二次安倍政権が発足し、所謂、アベノミクスの経済政策を推進しています。その政策効果により、ようやく閉塞感の打開が期待できる状況になってまいりました。日本にとって最大の、そしてある意味では最後とも言える好機が訪れているのだと思います。 アベノミクスにより、経済の緩やかな回復が続いておりますが、先行きは決して楽観できるものではありません。一つは、人口減少・超高齢化社会が到来するという問題です。さらに、(1)財政赤字の問題、(2)社会保障給付費の拡大、(3)原発停止に伴うエネルギー問題、(4)地方創生など日本が直面する課題は山積しています。 明るい未来を切り拓き、子々孫々へと活力ある経済・社会を引き継いでいくことは、今日を生きるわれわれの世代の責務です。そのためには、現下のこうした危機感を、政府が、企業が、そして国民が等しく共有し、オールジャパンで日本再興に取組み、経済・社会のダイナミズムを取り戻していかなければなりません。 また、改めて申し上げたいことは、企業の持続的成長は国民生活の向上と一体を成すものであるということです。企業の経済活動によって生み出される付加価値の6割強が給与に回り、4,500万人余の雇用を維持・創出しています。さらに、企業が負担する税・社会保険料は国民生活の安心・安全の基盤となり、営業純益は経済成長の原動力となる今後の設備投資や研究開発投資の原資となっています。企業の成長は国民生活の向上に直結するのであり、決して相反するものではありません。 しかしながら、GDP推移と同様に、企業が生み出す付加価値額もこの20年間、横ばいの状態が続いています。国民生活をより一層豊かなものとしていくため、企業は自らの収益力を強化し、付加価値を一層高めていかなければなりません。 また、今回のビジョンでは、「経団連の使命とアクション」についても明記しました。そのキーワードは、Policy&Actionです。われわれ経団連の使命は、日本の国益や将来を見据え、「経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与する」ことです。この使命の実現に向けて、経団連は、経済界全体の進むべき方向性を示し、企業の積極果敢な行動を先導するとともに、政治・行政に対して積極的に政策提言・働きかけを行っていきます。 さて、ビジョンでは、2030年までに目指すべき国家像を4つに集約しました。目指すべき国家像の第1は「豊かで活力ある国民生活を実現する」、第2は「人口1億人を維持し、魅力ある都市・地域を形成する」、第3は「成長国家としての強い基盤を確立する」、第4は「地球規模の課題を解決し世界の繁栄に貢献する」です。 これら4つの国家像を目指す中で、頑張った者が報われる社会を築き、日本を「若者が日本国民であることに誇りを持ち、チャレンジ精神を発揮し、希望ある未来を切り拓いていける国」、そして、「世界から信頼され、尊敬される国」にしていきたいと考えています。ビジョンでは、こうした国家像を実現するため、政府・企業・国民等が重点的に取り組むべき課題を提示しています。 まず、総合的な課題として、「震災復興の加速化と新しい東北の実現」、「東京オリンピック・パラリンピックの成功」、「次代を牽引する新たな基幹産業の育成」の3つを掲げました。 そして、さきほど示した4つの国家像に対応する課題を整理しました。まず、「豊かで活力ある国民生活を実現する」ための課題として、「科学技術イノベーション政策の推進」、「通商政策」、「インフラの海外展開」、「女性の活躍推進」などを挙げています。 第2の国家像に対応する課題としては、「少子化対策の推進」、「地域経済の活性化」、「外国人材の活躍」、こうした課題を掲げております。 第3の国家像に対応する課題としては、「事業環境のイコールフッティングの確保」、「財政健全化」、「社会保障・税の一体改革」、「大学改革」などを掲げています。 そして、第4の国家像に対応する課題として、環境問題、資源、水、エネルギーなど様々なグローバルな課題解決に向けた貢献が必要であることを謳っています。 ビジョンでは、こうした課題の整理に留まらず、現状を放置して改革を怠った場合と、ビジョンで提示した政策が実現した場合のそれぞれにおける日本のマクロ経済の将来像を示しています。 まず、現状を放置したケースでは、低成長が継続するとともに、プイラマリーバランス赤字は拡大し、長期債務残高の累増にも歯止めがかからなくなってしまいます。こうした惨憺たる事態は、絶対に避けなければなりません。 一方、ビジョンで掲げた改革を確実に実行した場合は、名目3%・実質2%程度の持続的成長が実現し、財政も健全化します。2020年には安倍総理がおっしゃっておられるGDP600兆円も視野に入ってまいります。これこそが、われわれの目指すべき日本経済の姿であろうと考えます。 そして、ビジョンを実現した場合の2030年時点の産業構造の姿についても予測しています。まず、既存産業について、医療・健康、エネルギー、観光、農業・食といった産業は、2013年度比で付加価値を実質110兆円拡大するとしています。 次に、IoTや、ロボット・人工知能、航空・宇宙などの新産業で、およそ100兆円の付加価値を創出できるとしています。既存産業の競争力強化とあわせると、2030年の全産業の付加価値規模は、2013年度比で実質約210兆円拡大することになります。以上が経団連ビジョンの概略のご紹介となります。 私は、ビジョンで描いた未来を実現するための鍵は、「イノベーション」と「グローバリゼーション」であると考えています。それぞれについて、具体的に見ていきたいと思います。 3.イノベーション まずは、イノベーションについて、ここでは技術革新に焦点を当てて、新たな基幹産業の育成と経済界として強化すべき取り組みの二つを軸にお話ししたいと思います。 イノベーションの推進に向けた第一のポイントは、新たな基幹産業の育成です。そもそも、わが国経済の基本的な構造は、国際競争力を有する産業が輸出で稼ぎ出した外貨によって、食料や資源・燃料などを輸入して、国民生活を支えるというものです。その基幹となる産業は、戦後の繊維に始まり、造船、鉄鋼、半導体、電機・機械、自動車と、時代とともに変遷してきました。わが国が将来にわたって経済発展を続け、これまで通り国民生活を支えていくためには、次の時代を牽引する新たな基幹産業を育成することが不可欠です。 経団連ビジョンでは、IoT、人工知能・ロボット、スマートシティ、バイオテクノロジーなどを有力候補として掲げておりますが、このほかにも多くの力強い新産業が生まれてくることを期待しています。 そして、ここでもう一つ強調しておきたいことは、こうした基幹産業を生み出すためにも、それを牽引する世界最高水準の科学技術が絶対に必要であるということです。世界最高水準の科学技術を表す象徴的な数字としてノーベル賞受賞者数を例に見れば、わが国は今世紀に入ってから、自然科学分野においてアメリカに次いで世界第2位の11名の受賞者を輩出しています。 このように、産業発展の基礎には世界最高水準の充実したサイエンスの存在が不可欠です。わが国が今後とも経済成長を続けていくためにも、こうした世界最高水準の科学技術の基盤をさらに強固なものとしていくことが必要です。その上に新たな基幹産業が生まれることで、人類の発展や世界の繁栄にも貢献できると考えています。 また、新たな基幹産業の育成には、先端的なサイエンスの追求とともに、近年急速に進化しているICTの活用が鍵となります。IoTの実現や人工知能などによって、ものづくりはもとより、医療、農業、金融などの既存産業も、かつてない進化を遂げることが期待されます。 具体的には、ものづくりの分野では、現在、ドイツでものづくりとICTの組み合わせによる「インダストリー4.0」といった改革が進められていることはご承知の通りです。日本は世界一のロボット大国であるとともに、少子高齢化の中でロボット技術の活用が期待されています。日本では、こうしたロボット技術とIoTとの組み合わせにより、「日本型第4次産業革命」とも言うべき変革と改革を興していくことが極めて重要です。 新たな基幹産業育成のもう一つの鍵は、地球規模の課題解決を目指すことにあります。人口問題、気候変動、資源・エネルギー問題など地球規模の課題が山積する中にあって、スマートシティや医療・介護に係る産業はそうした課題の解決につながる大きな潜在力を有しています。こういった産業は将来的には時代を牽引する基幹産業となる可能性が大いにあると見ています。 また、新たな基幹産業の育成につながるイノベーションを推進していくためには、国として野心的な研究開発を制度面でも大胆に支援していくことが求められます。この例として、まずFIRSTという最先端の研究開発を支援する政府のプログラムがあります。FIRSTは、私が経団連の産業技術委員長と政府の総合科学技術会議の議員を務めていた2009年に国の科学技術政策の目玉として創設されたものです。 このプログラムは、政府による多年度かつ大規模な研究開発プログラムの先駆けであり、iPS細胞の山中教授をはじめ、30人の研究者に総額1500億円という大規模な資金援助を行いました。このプログラムからは、世界レベルの研究成果が数多く生まれており、極めて有効な政策であったと評価できると思います。 次に紹介するImPACTは、FIRSTの後継プログラムとして2014年からスタートした国の研究開発プログラムです。ハイリスクかつハイインパクトな研究開発に取り組むことにより、産業や社会に大きな変革をもたらすイノベーションを創出することを目指しています。12のテーマが選ばれ、中核を担うプログラムマネージャーには、経済界から5名が選ばれました。それも画期的なことだと思っております。 SIPは、省庁や分野の枠を超えて、基礎研究から実用化・事業化までを見据えた研究開発を進めるプログラムです。10の課題を設置し、ここでもプログラムディレクターには、経済界から5名が選ばれました。産学官連携のモデルケースとなることが期待されています。 これまで紹介したプログラムはいずれも経済界の強い働きかけにより実現したものであり、今後、どのような成果が生み出されるのか大いに期待しています。 イノベーション推進の第二のポイントは、オープンイノベーションの推進であり、柱となる取り組みは3つあります。1つ目は、他社の技術やアイデアを活用するための企業・異業種間連携、2つ目は、基礎から実用までビジョンを共有した産学官連携や地方の拠点化、3つ目は、大企業とベンチャー企業の連携です。 企業・異業種間連携については、IoT、バイオテクノロジーなどの新たな技術をベースとした製造業とサービス業の有機的な連携が鍵です。こういった連携により、数多くの製品やサービスが創出されています。 次に産学官連携においては、基礎研究の段階から実用段階までを視野に入れたビジョンを共有することが鍵になります。政府の研究開発法人でも産学を巻き込んだ応用研究が進んでおり、こうした成果を踏まえ、企業が実用化の面で大きな役割を果たすことが肝要です。 このように産学官がそれぞれの持ち場できちんと役割を果たしつつ、さらに有機的な連携を強化することで、イノベーションは絶え間なく創出されていくのです。 この他、地方創生の観点から、地方のイノベーション拠点化も求められます。地域の強みをベースにした産学官連携を進めることで、地方から世界を狙うイノベーションを生み出すことが期待されます。その際、地方自治体の主体的な関与が成功の鍵となることは申し上げるまでもございません。 例えば、石川県では、繊維産業の集積度が高いという特色を活かした独自の成長戦略を策定し、「いしかわ炭素繊維クラスター」を形成しております。金沢大学、金沢工業大学、東レも含めた民間企業の参画のもと、炭素繊維複合材料の開発に取り組んでおります。 また、福岡県では、水素エネルギー社会の実現に向け、県のイニシアティブのもと、2004年に「福岡水素エネルギー戦略会議」を立ちあげました。九州大学、産総研、民間企業を巻き込み、研究開発から、「水素タウン」「水素ハイウェイ」などの社会実装の推進を行っております。いずれの事例も自治体を中心として、産学官が一体となった取り組みであることが特徴です。 もうひとつの重要な点がベンチャー企業との連携であり、経団連でもベンチャー企業との連携に向けた具体的な取り組みを始めています。その一つが、東大と連携したベンチャー企業の創出と育成です。わが国におけるベンチャー創出に向けた大企業と大学との連携のモデルケースにしていきたいと考えています。 二つ目は、地方のベンチャーの創出や育成に関する取り組みです。本年5月、福岡市を中心とする自治体の連合体、「スタートアップ都市推進協議会」との間でベンチャー育成に関する共同声明を発表しました。 最後に、イノベーションの推進に向けては、いわゆるナショナルシステムの強化が必要であり、この中で大学が大きな役割を果たすことが期待されます。現在、国立大学の改革が意欲的に進められていますが、その方向性は、経済界の主張と概ね一致したものとなっています。今後、改革がさらに進められ、各大学においてきちんと実行していくことが期待されます。経済界としても引き続き、改革の進捗状況につきフォローを行うとともに、協力を行っていきます。 4.グローバリゼーション 次に、日本再生のもう一つの鍵、グローバリゼーションについてお話しします。グローバリゼーションを日本の再生につなげていくためには、市場の拡大、内なる国際化といったチャンスを確実に活かし、またリスクをチャンスに変えていく必要があります。 初めにグローバルなルールづくりについてですが、FTAによる貿易カバー率を見ると、現在、日本は22%と他の国・地域に後れをとっているのが現状です。しかしながら、現在交渉中のいわゆるメガFTAを着実に締結していけば、85%まで上昇し、十分に後れを挽回することができます。 特に、TPPを仕上げることができるかどうか、今、大変重要な局面にあります。交渉の中核を成す日米両国政府のリーダーシップに強く期待しているところです。 経団連では、TPPとASEAN 10か国に日中韓、豪州・ニュージーランド、インドの6カ国を加えた16か国による東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を道筋として、2020年までにアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)を構築することが重要と考えています。 なお、TPPには中国が、RCEPには米国が入っていません。アジア太平洋を真に一つの市場として統合するためには、TPP、RCEPの双方に参加する日本が果たす役割が極めて重要になります。わが国の貢献により、米国と中国を包むFTAAPを実現させ、世界経済全体の安定と発展につなげていかなければなりません。これは成長戦略の柱として掲げられた国の目標であり、経団連もこれを全力でサポートしていきたいと考えています。 次に、経済外交についてお話しします。私は昨年6月の会長就任以来、経済外交を最重要課題の一つと位置づけ、積極的に展開してまいりました。皮切りとなったのは中南米への訪問で、就任直後の昨年7月から8月にかけて、安倍総理に同行し、中南米5カ国を訪問しました。 中南米地域は、6億の人口を擁する市場としてのみならず、企業の製造拠点としても重要な位置付けにあります。また、大型インフラヘの需要が旺盛であるとともに、世界有数のエネルギー資源の供給地でもあり、日本企業にとって大きな魅力を備えています。 経団連会長として17年ぶりの中南米訪問は、この地域の国々とわが国の交流拡大に向けて、新たな歴史を切り開く画期的なものとなりました。各国では、拡大首脳会談等の政府主催行事に出席したほか、メキシコ、コロンビア、ブラジルの3カ国では、安倍総理にもご出席いただき、現地の経済団体との合同会議を開催しました。 アジアの近隣諸国との関係の拡大・強化もまた重要です。特にわが国と中国、韓国は、相互依存型の極めて緊密な経済関係にあるだけでなく、日中韓の3カ国で東アジアのGDPの約7割を占めるなど、アジアひいては世界の平和と繁栄という観点からも、両国との安定した関係の構築が求められます。昨年秋頃から、日中、日韓の間での政治・外交関係が若干改善し始めておりますが、経団連としても経済関係の強化による両国との関係改善に精力的に取り組んでまいりました。 中国とは、昨年9月には日中経済協会の訪中代表団として訪問し、汪洋国務院副総理はじめ主要経済閣僚と会談しました。一連の会談では、中国側と「日中両国は世界第2位、第3位の経済大国として、アジアと世界の経済発展に共に重要な責任を担っていること、そして、日中両国の関係改善は両国の根本利益に沿うものであり、同時にアジアと世界の利益につながる」との認識を共有しました。 韓国については、昨年12月に7年ぶりに全経連との首脳懇談会をソウルで開催し、日韓の貿易・投資ならびに様々な分野における産業協力の推進について意見交換するとともに、朴槿惠大統領と懇談し、日韓首脳会談の早期実現を働きかけました。朴大統領とは今年6月にもお会いし、良好な政府間関係の構築を改めて要望したところです。来月、日中韓首脳会談とともに日韓首脳会談が実現することを強く期待しています。 また、先月には経団連として初めてのミッションをモンゴルに派遣し、エルベグドルジ大統領をはじめ官民の要人と会談しました。日本との経済関係はまだそれほど大きくありませんが、天然資源やインフラの開発など、今後の経済交流拡大の可能性について、手ごたえを感じるミッションとなりました。 東南アジアについては、今年4月、インドネシアに総勢約50名からなる経済ミッションを派遣しました。インドネシアも、豊富な天然資源や人的資源に恵まれ、消費市場としての魅力にとどまらず、昨今では製造業のサプライチェーンにおける拠点としての重要性がますます高まっています。加えて、ASEANの経済統合が進む中で、その中核国であるインドネシアは、昨年10月にジョコ・ウィドド大統領が就任し、産業高度化に向けた様々な経済改革を推進しています。 大統領をはじめとする官民要人との懇談の場で、日本からの輸出志向型の投資やインフラプロジェクトへの日本企業の参加に対する強い期待が示されました。この訪問を通じ、両国の相互理解が深まり、経済関係の深化・拡大に向けた重要なステップとなったと思っています。 続いて、ヨーロッパです。今年6月のG7サミットの前に、G7各国・地域の経済団体トップがベルリンに集まり、G7ビジネスサミット、いわゆるB7を開催しました。大変充実した会議になったと思います。当時、ギリシャ問題などで揺れていた欧州経済の状況を直に把握し、メルケル首相には経済界からの提言を直接伝えることができました。来年は日本がG7サミットの議長を務める関係で、経団連がB7を主催することになります。しっかりと準備し、グローバルなルールづくりの重要性などを訴えてまいります。 最後に、わが国の同盟国であり、最大のビジネスパートナーである米国について申し上げます。日米は民主主義や法の支配など基本的な価値観を共有しており、各方面で極めて密接かつ強固な関係を長年にわたり維持しております。こうした関係を発展させていくことは、両国の国益のみならず、世界全体の平和と発展のために不可欠であります。そこで、今年の6月末から7月にかけては、アメリカに総勢約100名の経済ミッションを派遣しました。これだけ大規模でハイレベルのミッションを米国の各州に派遣するのは、経団連では初めてのことです。 私自身も団長として、ミッション中にフロマン通商代表やプリツカー商務長官にお会いし、TPPの早期実現に向けての認識の共有化を図ることができました。今回のミッションを契機に、わが国外交の基軸である日米関係を一層揺るぎないものとし、世界の安定と繁栄に引き続き努力していく考えです。 グローバリゼーションの最後に内なる国際化の一つとして、外国人材の受入促進について、経団連の考えを申し上げます。外国人材の受入を促進することは、わが国の持続的な経済成長に資するものであり、例えば、わが国の中で多様な価値観や発想、知識・能力・経験を有する外国人材の活躍を促していくことは、イノベーションの創出を推進していくためにも極めて重要です。 しかし、現在、わが国の労働力人口に占める外国人労働者の割合は1%と、欧米や韓国と比べて極めて少ない割合に留まっています。また、外国人留学生の受け入れ状況についてもり、留学生数は過去5年間14万人程度で横ばいとなっています。また、せっかく日本に留学しても、卒業後に日本で就職する留学生は3割にも満たない水準です。優秀な留学生の定住を促進するためにも、留学生が国内企業に採用される割合を高めていくことが必要です。多くの企業がグローバル経営に取り組んでいる状況を考えれば、留学生の採用が拡大される余地は大いにあると思います。 また、外国人材の受入を促進することは、わが国の人口規模にも寄与するものです。人口減少に直面する日本が、今後とも経済社会の活力を維持していくためには、少子化対策と併せて、外国人材の受入促進が急務と考えます。 5.財政再建 最後に、日本再生のためにまずもって実現しなければならない最優先課題は、デフレ脱却・経済再生・財政再建ですが、ここでは財政再建についての経団連の取り組みをご紹介します。 わが国の財政状況に目を向けますと、わが国の債務残高対GDP比は約230%と、他の主要な先進国と比べても極めて高い水準にあります。このような財政状況を放置することは絶対にあってはなりません。財政を健全化し、経済の持続的成長を支える強固な基盤を築く必要があります。政府が掲げている2020年度のプライマリーバランス黒字化という目標は確実に達成しなければなりません。 内閣府が7月に公表した中長期の経済財政に関する試算を見ますと、中長期的に、経済成長率が実質2%以上、名目3%以上となることを前提とした経済再生ケースにおいても、なお2020年度に6.2兆円のプライマリーバランス赤字が残ることになります。このギャップを埋めるためには、(1)デフレ脱却・経済再生、(2)歳出改革、(3)歳入改革の3本柱を一体的に推進することが不可欠です。 特に、財政健全化に向けては、歳出の多くを占める社会保障関係費の伸びを抑制することが不可欠です。経団連は、経済財政諮問会議の場で、医療・介護分野を中心に具体的な改革メニューを提示しており、この実現を図ることが必要です。 今後は来年度の予算編成における改革の具体化が鍵となりますが、経済財政諮問会議のサブ委員会として設置された「経済・財政一体改革推進委員会」では、年末にかけて社会保障制度改革の工程表やKPIの案を取りまとめることになっています。私はこの委員会の主査を務めておりますので、思い切った改革が実現できるよう積極的に取り組んでまいりたいと思っています。 このように、我々の目の前には、重要な課題が山積しております。手をこまねいて見過ごすことは日本の衰退を意味し、決して許されません。経団連では、今年、2015年度を豊かで活力ある日本の再生に向けた着実な一歩を踏み出す年と位置づけ、14の重要政策課題を挙げて、全力で取り組んでいるとことです。 ようやく経済の好循環がまわりだし、2020年の東京オリンピック・パラリンピックという明確な目標もできました。まさに今こそが日本再生を実現していく上での、最大かつ最後のチャンスと考えます。 ただ、経団連だけですべてが解決できるものではございません。政治や国民、地域、行政、そしてメディアなど、各界、各方面の方々との対話や連携を十分に図りながら、手を携えて、わが国が抱える重要政策課題の解決を推進し、強い日本、強い経済を確実に実現させてまいりたいと考えております。 本日ご来席の皆さまにもご理解とお力添えのほど、何卒宜しくお願い申し上げます。ご清聴ありがとうございました。 以上 「会長コメント/スピーチ」はこちら 会長コメント/スピーチ 会長コメント 記者会見における会長発言 会長スピーチ バックナンバー 2024年 2023年 2022年 2021年 2020年 2019年 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